大阪市立大学シンポジウム

第5期宮城組に参加したながみーが、12月5日に開かれた大阪市立大学のシンポジウムに参加しました。以下、そのレポートです。ぜひ、読んでみてください!

 12月5日に大阪市立大学大学院創造都市研究科都市共生社会研究分野主催のシンポジウムに出席してきました。今回のテーマは「東日本大震災における多様なNPO・ボランティア活動の展開」でした。ミーティングは大阪市立大学大学院教授をコーディネーターとして、社会福祉協議会職員、特定非営利活動法人市民フォーラムみのお代表、共生社会東日本地震被災者救援・支援の会代表をパネラーとしたディスカッション形式で行われました。

 まず、東日本大震災後に被災地入りしたボランティアの人数が、震災後9か月たった現在減少傾向にあり、阪神淡路大震災のボランティア数に比べ東日本大震災の場合は約3分の2程度のボランティア数であることを指摘。しかしながら義捐金総額は阪神淡路大震災時に1006億7897万1076円であったのに対し、東日本大震災時では3017億248万3855円と約3倍になっていることから、「自分が被災地に直接出向くことはできないが、何か自分も被災地の役に立ちたい」とする思いが義捐金という形になって表れているのではないか、という調査結果を示し、東北という地理的にアクセスが難しい点もこの義捐金という「支援」を促す結果に繋がったと指摘しました。

 次に、各NPOが行ってきた支援活動をスライドで報告。大抵はボランティアバスを出したり、瓦礫撤去の手伝いや洗浄作業といった活動が主でしたが、中には動物保護団体が行っている被災地でのペット救出・保護活動であったり、脱原発を訴えるためのPR活動を専門に行うNPOなどの紹介がなされ、NPOの活動が多岐にわたり、またもの凄い数のNPOが被災地で今も継続して支援活動を行っていることに驚きと嬉しさを感じました。

 どの団体の代表も口を揃えて言っておられたのが、「被災地のニーズに合わせた支援活動 を行う必要がある」ということ。これから東北は服が必要だからといって各地で手当り次第に服をかき集めて、それを被災地に送ったとしても、その服をサイズごとに分けて分別して、着れる服と着れない服に分けて・・・というように、返って被災地での仕事を 増やしてしまう結果にも繋がりかねません。果たして自分達が今行っている活動は被災地で本当に求められているのかどうか、原点に戻って考える機会も必要であるともおっしゃられていました。ワカモノヂカラプロジェクトにもそれは例外なく当てはまると思います。「被災地で本当に必要な支援活動を行う」「ニーズを見極める」「自己満足の支援活動に陥らない」これらが重要になってくるのではないかと感じました。被災地で求められている支援活動は、震災後9か月たった今、次のフェーズへと移行しつつあります。今求められているのは被災者の経済的自立を促すもの、つまり雇用支援であるといいます。被災地が 本の姿に戻るためには、1日でも早く経済基盤を立て直すことです。そのための橋渡し的役割をワカモノが主体となって動いているこのワカモノヂカラでも出来ればいいな、と感じました。

 また驚いたのは、高齢者や学識者がメインのこのシンポジウムに、自分を含めた学生が結構参加していたことです。志を高く持ったワカモノは沢山います!それらの人達も巻き込みつつ、本当に必要な支援についてこれからも考えていきたいと思いました。

 最後になりましたが、このようなシンポジウムに参加するのはちょっと敷居が高いかな・・・とか、何かダサいイメージがあっていけない、という人がいるかもしれません。しかしながら、自分から積極的に参加したイベントであったり、シンポジウムであったりなどは自分の記憶に鮮明に残ります。考える機会を得るいい経験だと思うので、今後も積極的に参加してみてはいかがでしょうか。